「この文章なんだか読みにくい!」
「何を伝えたいのかよく分からない……」
「あれもこれも伝えなきゃ……」と文章を書き進めているあなた。
せっかく時間をかけて書いた文章なのに、以下のような経験はありませんか?
- 読者が途中で読むのをやめてしまう
- 読んでもらっても内容を理解してもらえない
- 「少し分かりづらいです」と言われる
上記のようなことが起こる原因は、あなたの文章表現が「冗長」だからです。
冗長表現の文章は「ムダな言葉が多いせいで意味が伝わりづらい」です。
例えば下記のような文章は冗長表現の文章です。
- 「これは、私が書いた論文の内容の概要のコピーの一部です」
- 「実はまだ思われているようなことのようにできていないようなのです」
上記のように「の」を多用したり、ムダで意味のない言葉を使っていたりすると、本当に伝えたいことが読者に伝わりません。
でも、ご安心ください。
ちょっとしたコツをつかめば、誰でも伝えたいことが伝わる分かりやすい文章が書けるようになります。
この記事では、冗長表現を避けるための具体的なポイントを解説します。
- 同じ単語はできるだけ使わない
- 一文一義を徹底する
- 一文をできるだけ短くする
- 文章全体の構成をあらかじめ考えておく
- 時間を空けて2回以上読みなおす
また下記のように冗長表現の代表的な原因を、分かりやすい具体例と一緒に紹介していきます。
この記事を最後まで読むメリットは次のとおりです。
- 冗長表現な文章が分かる
- 相手に伝わる分かりやすい文章が書けるようになる
- 読者に負担をかけない文章が書けるようになる
- 思わず読みたくなる文章が書けるようになる
この記事はこんな人におすすめです。
- なぜか文章が読みづらくなってしまう人
- 自分の文章に自信がない人
- 文章力やライティングスキルを高めたい人
- ビジネスシーンで通用する文章を書きたい人
- Webライティングの基本について学びたい人
冗長表現の具体例から、避け方のコツ、注意点まで、実践的なテクニックが満載。
さらに、冗長表現を避けるためのツールも紹介しています。
この記事を参考にして、読者の心に響く文章を目指していきましょう。
読みやすい文章を書くコツを下の記事にまとめています。
まさる
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冗長表現とは「ムダな言葉が多くて読みづらい文章のこと」
冗長表現とは「簡単に表現できる内容を、ムダな言葉を使って必要以上に長々と説明してしまう表現」のことです。
冗長表現について下記の4点で解説していきます。
冗長表現のデメリット6つ
冗長な文章には次のデメリットがあります。
- 文章が長くて読みづらい
- 同じ意味を繰り返されて退屈に感じる
- 重要度の高い情報が埋もれてしまう
- 意味を誤解される
- 論理的な矛盾が起きる
- 文章の信頼性が下がる
文章が冗長だと読みづらく、伝えたいことが伝わらないばかりか、読者自身が離れてしまいます。
少しでも賢い文章にしようとすると、難しい言葉やムダな言葉が入り込みがちです。
Webライターを始めたての僕がそうでした。
読者に最後まで読んでもらうためにも、基本的に冗長な表現は避けるようにしましょう。
冗長な表現になってもいい4つのシーン
基本的には冗長な表現は避けるべきです。
しかし、下記のようなシーンでは冗長な表現になっても問題ありません。
- 詩や小説などの文学作品
- 感情を表現するドラマのワンシーン
- 取引相手を説得したり交渉したりするとき
- スピーチや演説をするとき
上記のようなシーンでは、あえて冗長な表現をすることで、相手の感情や感覚に訴えかけることができます。
適度に冗長な表現をすることで読者に訴えかける具体例
- 彼女の瞳は、まるで星空のように輝いていた。
- お客様のニーズに合わせて、きめ細やかなサポートを提供することで、長年に渡って多くの企業様からご愛顧いただいております。
- 地域の力、それこそが日本の力なのです。地域の魅力、それこそが日本の魅力なのです。地域の特色を生かした産業を育て、魅力ある商品やサービスを創出することが、私たちに課せられた使命なのです。
とはいえ、あまりにも冗長な表現になってしまうと、意味が分からない文章になってしまって、相手に何も伝わらなくなります。
冗長すぎる具体例
「彼女の瞳は、まるで星空のように輝いていて、天の川を流れる無数の星々のようで、果てしなく広がる宇宙の神秘のように感じて、まるでふわふわの天使の羽にそっと包まれているような感覚を覚えた」
バランスを大切にしながら、表現していくことが求められるでしょう。
修辞法を学ぶことで、冗長になりすぎずに相手に訴えかけられる文章を書けるようになります。
下の記事で詳しく解説しているので、気になる人は合わせて読んでみてください。
冗長な表現を避けるべき5つのシーン
基本的には、冗長な表現を避けるべきです。
下記のようなシーンでは極力避けるようにしましょう。
- Webサイトのコンテンツ
- ビジネス文書やメール
- ニュース記事や報道
- 取扱説明書
- 論文などの学術的な文書
特にWebサイトのコンテンツでは、パッと見ただけで分かりやすいコンテンツを作ることが求められます。
近年、スマートフォンの普及によって、多くの人がインターネットにどこでもアクセスできるようになりました。
移動中の電車の中や、お昼休憩などの少ないスキマ時間で情報を得るためには、簡潔で分かりやすい文章でなければいけません。
冗長表現を避けるべきシーンでは、シンプルな文章で相手に伝わるように書きましょう。
【番外編】IT分野では「冗長化」してもいい?
基本的に「冗長」という言葉は、ネガティブな意味合いで使われます。
ところが、IT分野では「冗長化」として、むしろポジティブな意味として使われています。
冗長化とは、システムの不具合に備えて、予備の設備やサブのシステムを並行して運用しておくことです。
には以下のような方法があります。
- データの冗長化……データをバックアップとして複数のサーバーに保存しておくことで、データが失われるリスクを軽減できる
- ネットワークの冗長化……ネットワーク機器や回線を複数用意しておくことで、通信が維持できる
- サーバーの冗長化……同じ機能を持つサーバーを複数用意しておくことで、他のサーバーが引き継げる
冗長化によって確保できた安全性を「冗長性」といいます。
IT分野以外でも航空業界や鉄道業界といった、人の命などに関わる重要な分野では「冗長化」が行われていることが多いです。
基本的にはシンプルに、ただしトラブル対策として多少の余地を残しておく「冗長化」を他の分野にも取り入れてみてもいいかもしれませんね。
代表的な冗長表現12選
冗長表現にはさまざまなパターンがありますが、ここからは代表的な例を紹介します。
- 「の」を多用している
- 意味のない不要な語句を使っている
- 冗長な文末表現になっている
- 二重敬語になっている
- 二重否定をしている
- 一文の中で同じ単語をくり返し使っている
- 同じ文章を繰り返している
- 重複表現(二重表現)になっている
- 一文が長すぎる
- ムダな接続詞を使っている
- ムダな修飾語を使っている
- 前置きが長い
冗長な表現の特徴を理解することで、自分の文章の改善点が見えてくるはずです。
「の」を多用している
「の」を多用する文章は、くどくて間延びしたように感じます。
係り受けの関係性も分かりづらくなるので、別の言葉で置き換えるか、省略するのがおすすめです。
具体例1
「彼の上司の方針」
↓
「彼の上司が出した方針」
具体例2
政府の経済政策の効果の検証
↓
政府が行う経済政策の効果検証
具体例3
「プロジェクトを成功させる鍵の一つである研究」
↓
「プロジェクトの成功の鍵の一つの研究」
「の」の連続は、避けるようにしましょう。
一文の中で「の」が3回以上出てきたら要注意ですよ。
意味のない不要な語句を使っている
文中で下表のような不要な語句を使っているなら省略したほうがスッキリした文章にすることができます。
不要な語句 | 意味 | 改善例 |
---|---|---|
という | 引用や説明を示す | 多くの場合、省略可能 |
こと | 抽象的な事柄を指す | 多くの場合、省略可能 |
など | 例示を示す | 必要に応じて使用 |
に対して | 対象を示す | 多くの場合、「に」で代用可能 |
について | 対象を示す | 多くの場合、「を」で代用可能 |
具体例は下記のとおりです。
「という」の具体例
- 不要な例:彼は、今日は休みだという話をしていました。
- 改善例:彼は、今日は休みだと話していました。
「こと」の不要な使用
- 不要な例:私は早起きをすることが苦手です。
- 改善例:私は早起きが苦手です。
「など」の不要な使用
- 不要な例:果物など、りんごやバナナなどを食べます。
- 改善例:りんごやバナナを食べます。
「に対して」の不要な使用
- 不要な例:彼に対して、意見を述べました。
- 改善例:彼に意見を述べました。
「について」の不要な使用
- 不要な例:この問題について検討する必要があります。
- 改善例:この問題を検討する必要があります。
無くても意味が通じる言葉は、思い切って削ったほうが読みやすくなります。
省略するときは、意味が伝わるのかを必ず確認してくださいね。
冗長な文末表現になっている
文章の最後に、断定を避けるための表現や、不要な言い回しを使うことで、文章が冗長になってしまうことがあります。
以下の表は、冗長になりがちな文末表現とその改善例をまとめたものです。
冗長な文末表現 | 意味 | 改善例 |
---|---|---|
〜ではないでしょうか | 断定を避ける | 〜です |
〜と言えると思います | 断定を避ける | 〜と言えます |
〜することができる | 可能性を示す | 〜できる |
〜ものである | 断定を避ける | 〜だ |
〜と考えられる | 断定を避ける | 〜と考える |
〜と言っても過言ではない | 強調する | 〜だ |
上表のような表現を使うと、主張がぼやけてしまいます。
特に、Webライティングでは曖昧で遠回しな表現が嫌われます。
短く言い切ることで、信用できる文章にしましょう。
以下は具体的な冗長表現と改善した例です。
「〜ではないでしょうか」の具体例
- 冗長な表現:この問題は、もっと真剣に取り組むべきではないでしょうか。
- 改善例:この問題は、もっと真剣に取り組むべきです。
「〜と言えると思います」の具体例
- 冗長な表現:この結果から、新しい方法が有効だと言えると思います。
- 改善例:この結果から、新しい方法が有効だと言えます。
「〜することができる」の具体例
- 冗長な表現:この技術を使えば、作業時間を大幅に短縮することができます。
- 改善例:この技術を使えば、作業時間を大幅に短縮できます。
「〜ものである」の具体例
- 冗長な表現:健康は、何よりも大切にすべきものである。
- 改善例:健康は、何よりも大切にすべきだ。
「〜と考えられる」の具体例
- 冗長な表現:この現象は、複数の要因が関係していると考えられる。
- 改善例:この現象は、複数の要因が関係していると考える。
「〜と言っても過言ではない」の具体例
- 冗長な表現:彼の功績は、この分野に革命をもたらしたと言っても過言ではない。
- 改善例:彼の功績は、この分野に革命をもたらした。
断定を避ける表現や不要な言い回しは、意識しないとついつい使ってしまいがちです。
シンプルで直接的な表現を心がけましょう。
二重敬語になっている
二重敬語とは、1つの文で敬語を重ねて使ってしまうことです。
敬語を使い慣れていないと、ビジネスシーンで起きやすいので注意しましょう。
具体例と改善例は次のとおりです。
「お越しになられました」
- 二重敬語:田中様がお越しになられました。
- 改善例:田中様がお越しになりました。
「ご説明させていただきます」
- 二重敬語:新商品の特徴についてご説明させていただきます。
- 改善例:新商品の特徴についてご説明いたします。
「お伺いさせていただきたいと存じます」
- 二重敬語:プロジェクトの進捗状況をお伺いさせていただきたいと存じます。
- 改善例:プロジェクトの進捗状況をお伺いしたいと存じます。
「ご検討いただけますようお願い申し上げます」
- 二重敬語:この提案書をご検討いただけますようお願い申し上げます。
- 改善例:この提案書をご検討くださいますようお願いいたします。
敬語は「1つの文に1つだけ使う」のが原則です。
二重敬語は、失礼になるだけでなく、文章が冗長になり読みづらくなります。
シンプルで正確な敬語を心がけましょう。
二重否定をしている
「〜ないわけではない」「〜ないこともない」のように、二重で否定する文章では、読者が混乱します。
「結局どっち!?」って思われてしまいます……
下記のようにシンプルな肯定文にする方が伝わりやすいのでおすすめです。
具体例
「彼は有能ではないわけではない」
↓
「彼は有能だ」
「この案件は重要ではないこともない」
↓
「この案件は重要だ」
「彼女は美人ではないというわけではない」
↓
「彼女はなかなかの美人だ」
「このレストランは悪くないわけではない」
↓
「このレストランは良い」
「この製品は人気がないわけではないが、売上は伸び悩んでいる」
↓
「この製品はある程度の人気があるが、売上は伸び悩んでいる」
「彼は頭が悪いわけではないが、勉強不足だ」
↓
「彼は頭が良いが、勉強不足だ」
二重否定とよく似た文章表現として「緩徐法(かんじょほう)」があります。
- 「このお茶は悪くない」(このお茶はおいしい)
- 「正直なところ、彼のことは好きではない」(彼は嫌い)
- 「そんなに彼女は強くない」(彼女は弱い)
あえて直接言わない、日本人らしい表現方法ですが、使いすぎると理解しづらくなります。
緩徐法については、修辞法をまとめた下の記事で詳しく解説しているので、気になる人は合わせて読んでみてください。
一文の中で同じ単語をくり返し使っている
1つの文の中で、同じ単語が何度も出てくるとリズムが悪く分かりづらい文章になります。
ムダに文字数も増えてしまうので良いところナシです……
文章を書き慣れていない、ライティング初心者によく見られるので、意識して改善するようにしましょう。
具体的な改善策は次のとおりです。
- 意味が伝わるなら削除する
- 別の言葉で置き換える
- 内容を変えずに、言い回しを変える
意味が伝わるなら削除する
- 改善前……同じ単語の繰り返しは、冗長な表現になるので、同じ単語を繰り返すのはおすすめできません
- 改善後……同じ単語の繰り返しは、冗長な表現になるので、おすすめできません。
別の言葉で置き換える
- 改善前……彼が仕事で成功した理由は、毎日努力を続けたのが理由です。
- 改善後……彼が仕事で成功した理由は、毎日努力を続けたからです。
内容を変えずに、言い回しを変える
- 改善前……彼は良い人で、周りの人に気を配れる、みんなに好かれている良い人です。
- 改善後……彼は素晴らしい人柄の持ち主で、みんなから愛されています。
慣れないうちは、同じ単語が短い文章の中で何回も出てきてしまいます。
文章のリズムを整えて、読者を飽きさせないためにも工夫して表現していきましょう。
同じ文章を繰り返している
同じような文章が短い間隔で繰り返し現れると、読者の集中力が落ちてしまいます。
悪い具体例
私は毎日公園へ行きます。公園へ行くと、のんびりとした時間を過ごせます。公園へ行くことは、私にとって大切な日課です。公園へ行かない日は、なんだか落ち着かない気持ちになります。これからも、私は公園へ行き続けるでしょう。
必要のない文章なら省略する方がスッキリします。
繰り返し主張したいなら、言い回しを変えるなどして、全く同じ文章が続かないようにしましょう。
改善例
私は毎日公園へ行きます。公園でのんびりとした時間を過ごすことは、私にとって大切な日課となっています。落ち着かなくなるほど習慣になっているので、私は公園へ行き続けたいと思います。
重複表現(二重表現)になっている
「頭痛が痛い」など重複した表現(二重表現)は、文章が冗長になる原因です。
ライティングに慣れていても、うっかり使ってしまうことがあります。
僕がよく間違えるのは「まず最初に」や「約1週間ほど前に」など、会話の中で出てきても違和感の無いものです。
下記に重複表現の一例と改善例をまとめたので、気をつけましょうね。
具体例と改善例
「先に前もって連絡します」
↓
「先に連絡します」または「前もって連絡します」
「再度もう一度確認してください」
↓
「再度確認してください」または「もう一度確認してください」
「現在進行中のプロジェクト」
↓
「進行中のプロジェクト」
「将来の予定を計画する」
↓
「将来を計画する」または「予定を立てる」
「協力し合って一緒に働く」
↓
「協力して働く」または「一緒に働く」
「完全に全部終了する」
↓
「完全に終了する」または「全部終了する」
重複表現についてもっと詳しく知りたい人に下の記事がおすすめです。
一文が長すぎる
一文の長さは、できるだけ短くしましょう。
具体的には、40文字以内に収めるのが理想です。
一文が長すぎる具体例
私は、昨日の会議で提案された新しいプロジェクトについて、担当者からの説明を聞いて、その内容に賛同したので、今後はそのプロジェクトに積極的に参加していきたいと考えています。
適切な長さで区切った具体例
昨日の会議で新しいプロジェクトが提案されました。担当者からの説明を聞いて、その内容に賛同しました。今後は、そのプロジェクトに積極的に参加していきたいと考えています。
文章が長すぎるデメリットは以下のとおりです。
- 途中で内容を忘れてしまう
- 重要なポイントが分かりづらくなる
- 文法のミスが起きやすい
- 誤読の可能性が上がる
適度な長さで文を区切ることを意識しましょう。
一息で読めるくらいが目安ですよ。
ムダな接続詞を使っている
「そして」「ですが」など、文と文をつなぐ接続詞も使い過ぎると文章が冗長になるときがあります。
無くても意味が分かる接続詞は、削るようにしましょう。
具体的には「逆接の接続詞以外」は無くても問題ありません。
無くても困らない接続詞の表
接続詞 | 種類 |
---|---|
そして | 順接 |
それで | 順接 |
また | 順接 |
および | 順接 |
接続詞を削除しても伝わる例
私は毎週末、公園へ行きます。そして、公園で友人とピクニックを楽しんでいます。そして、ピクニックの後は、一緒に散歩をしています。
↓
私は毎週末、公園へ行って友人とピクニックを楽しんでいます。ピクニックの後は、一緒に散歩をしています。
一方、逆接の接続詞は、文章の流れを良くするために使うことがあります。
あった方がいい逆接の接続詞の例
彼は勉強が苦手です。しかし、努力家なので必ず成績を上げることができるでしょう。
ムダな接続詞は、どんどん減らしていきましょう。
ムダな修飾語を使っている
あってもなくても大きく意味が変わらない修飾語は、削るほうがシンプルになって伝わりやすい文章になります。
具体例
彼女の瞳は、まるで深い海のように神秘的で、その輝きは夜空にきらめく星々のようにきらめいていました。彼女の髪は、黄金の絹糸のように滑らかで、太陽の光を浴びてまぶしく輝いていました。
↓
彼女の瞳は神秘的にきらめいて、髪は滑らかに輝いていました。
下記のような修飾語は意識的に減らしていきましょう。
修飾語 | 使用例 |
---|---|
とても | とても大きい、とてもおいしい |
かなり | かなり長い時間、かなり高価な |
非常に | 非常に重要な、非常に難しい |
本当に | 本当にうれしい、本当に感謝している |
修飾語を削除したり、より具体的な言葉に置き換えたりすることで、メリハリのある文章になります。
具体例
すごく大きい
↓
巨大(な)
かなり長い時間
↓
長時間
前置きが長い
前置きが長すぎると、なかなか本題に入ってくれなくて読者がヤキモキしてしまいます。
具体例
私は、これまで多くの国を旅してきました。旅行することは、新しい文化や習慣に触れる素晴らしい機会であり、自分自身を見つめ直すきっかけにもなります。
また、旅先で出会う人々との交流は、視野を広げてくれる貴重な経験です。そのような中で、私が最も印象に残っている旅行先は、イギリスのロンドンです。
この記事では、イギリスのロンドンについて旅行した経験をもとにご紹介します。
↓
私が最も印象に残っている旅行先は「イギリスのロンドン」です。
この記事では、多くの国を旅してきた私がイギリスのロンドンについて、実際に旅行した経験をもとにご紹介します。
上記のように結論から書くことで、読み手を引きつけるようにしましょう。
文章の内容を一言で要約できれば、前置きの必要性はなくなりますよ。
冗長表現を避けるためのポイント5選
伝わりやすい文章を書くためには、冗長な表現を避けることが大切です。
ここでは、冗長表現を避けるためのポイントを5つ紹介します。
これらのコツを意識して文章を書けば、読み手に伝わりやすい文章を書くことができるでしょう。
同じ単語はできるだけ使わない
同じ単語を繰り返し使うのは、できるだけ避けましょう。
類語辞典などを活用して、表現の幅を広げるのがおすすめです。
例えば「重要」という言葉を使いたいなら「大切」「ポイント」などの言葉に置き換えることができます。
類語だからといって、使いすぎると冗長になるので注意してくださいね。
必要ないなら削るのが無難です。
一文一義を徹底する
一文一義とは、一つの文で一つの意味を伝えるというライティングの原則です。
一文に複数の意味が入ってしまうと、内容が理解しづらくなります。
伝えたい情報を細かく分けて、一文に1つずつ盛り込むように心がけましょう。
具体例
先日のパーティーで、高校時代の友人と再会し、昔話に花を咲かせて、とても楽しい時間を過ごすことができました。
↓
先日のパーティーで、高校時代の友人と再会しました。
昔話に花が咲いて、とても楽しい時間を過ごすことができました。
一文に複数の意味が入っているなら、一文一義になるように区切るのが効果的です。
文を区切る句読点について下の記事で詳しく解説しています。
一文をできるだけ短くする
読みやすい文章を書くには、一文をなるべく短くまとめることが大切です。
目安としては、一文の長さが40字以内に収まるのが理想的です。
文が長くなりすぎてしまったときは、下記の方法を試してください。
- 句点を打って文を区切る
- 不要な修飾語や接続詞を削る
よりシンプルな文章にすることもできます。
文章は短ければ短いほど、内容が伝わりやすくなります。
文章全体の構成をあらかじめ考えておく
文章全体の構成をあらかじめ考えておけば、冗長な表現を避けやすくなります。
理由は次のとおりです。
- 論理的に展開できる
- 必要な情報を過不足なく用意できる
- あとで推敲がしやすくなる
事前に考えておいた骨組みのとおりに文章を書いていくので、横道へと話が脱線しません。
伝えたい内容も整理して書けるので、相手に伝わりやすい文章になるでしょう。
個人的に文章を書く前にやっておきたいことNo.1です。
文章全体の構成作りにはMindMeister(マインドマイスター)がおすすめです。
マインドマイスターはオンラインマインドマップツールで、パソコンやスマホから使うことができます。
マインドマップなら、思いついたことをどんどん書いておけば、簡単な操作だけで文章構成を変えていくことができます。
マインドマイスターを使うメリットは次のとおりです。
- 初心者でも直感的な操作だけで使える
- 複数人で同時に作業できる
- いつでもどこでも使える
- マップを自分好みにアレンジできる
- さまざまな形式で保存できる
マインドマイスターについては、下の記事で詳しく解説しています。
ちなみに、マインドマイスターが持つより多くの機能を使うためには課金しなければいけません。
とはいえ、お試し程度なら無料でも十分に利用できます。
読者に伝わりやすい文章構成を作るために役に立つので、まずは無料で試してみてください。
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時間を空けて2回以上読みなおす
書きたてホヤホヤの文章を見直しても、客観的に見直すことができません。
時間を空けずに読みなおしても、冗長表現を見つけることはできないでしょう。
しばらく時間を置いてから推敲すると、冗長な表現を見つけやすくなります。
個人的には、一晩以上寝かせると客観的に文章を見られるようになるのでおすすめです。
また、1回だけでなく、2回以上読みなおすことで、よりムダな言葉や分かりづらい表現を見つけやすくなります。
おすすめのやり方は、1回目の推敲で思いっきり文章を削って、2回目で調整する方法です。
せっかく書いた文章を消していくのは、覚悟が必要になります。
徐々に慣れていきましょう。
推敲するときに気をつけるべきポイントは、以下のとおりです。
- より簡単な表現に変えられないか
- 本当にこの言葉は必要なのか
- 文章がねじれていないか
- 読み手が理解しやすい構成になっているか
- 文章の目的が明確に伝わるか
- 一文一義を心がける
- 主語と述語の対応を確認する
- 不要な言葉を削除する
- 表現の統一性をチェックする
推敲を重ねるほど、冗長な表現を見抜く力が身についていきます。
書くときはもちろん、推敲するときにもアンテナを張っておくことで、冗長な表現を大きく減らせるでしょう。
冗長表現を避けるときに注意するべき3つのポイント
冗長な表現を避けることは大切ですが、次の注意点に気をつけないと、かえって読みにくい文章になってしまいます。
誤解されないようにする
冗長な表現を避けるためには、ムダな言葉や過剰な表現を減らしていくのが基本です。
ただし、減らしすぎてしまい文章の意味が正しく伝わらなければ本末転倒になってしまいます。
具体例
このプロジェクトでは不可欠です。
↓
このプロジェクトでは彼女の協力が不可欠です。
省略したり、別の言葉で言い換えたりするときは、本体の意味から外れてしまわないか注意しましょう。
文章全体のトーンが変わらないようにする
冗長な表現を減らしたり、別の言葉へ書き換えたりしていると、文ごとの雰囲気が変わりすぎてしまうことがあります。
例えば、下記のように文ごとに変わってしまうと、読者は混乱してしまいます
具体例
私は、この度の企画に賛同いたします。
だってさ、めちゃくちゃ面白そうじゃん!
ついては、詳細な実施要項をご提示いただければ幸甚に存じます。
↓
私は、この度の企画に賛同いたします。
理由は、本企画が非常に興味深い内容だと感じたためです。
つきましては、詳細な実施要項をご提示いただければ幸甚に存じます。
ちなみに、文章の雰囲気のことを「トーン」といいます。
ムダな言葉や表現を減らすことに集中しすぎて、文章全体のトーンが変わらないように気をつけましょう。
読みにくい文章にならないようにする
冗長な表現に意識が傾きすぎて、読みやすさを忘れてしまってはいけません。
特に接続詞や助詞といった、無くしてしまっても意味が分かる単語は、必要以上に削ってしまいがちです。
具体例
プロジェクトは順調に進んでいる。予算が不足している。
新機能の開発は予定通りに完了した。ミスが多数発生している。
セールス部門の売上は目標を達成した。利益率が低下している。
↓
プロジェクトは順調に進んでいる。しかし、予算が不足している。
新機能の開発は予定通りに完了した。ただし、ミスが多数発生している。
セールス部門の売上は目標を達成した。一方で、利益率が低下している。
推敲するときに、読みづらくないか意識して確認するようにしましょう。
冗長表現を見つけるツール3選
冗長な表現を避けるためには、自分の文章を客観的に見直すことが大切です。
ここでは、冗長表現を発見する手助けになる3つのツールを紹介します。
現役Webライターである僕が、実際に使っているものをこっそりお伝えしますよ。
GoogleドキュメントやWordの校正機能
GoogleドキュメントやMicrosoft Wordには、簡易的な文章の校正機能が備わっています。
冗長な表現だけでなく、文法のミスも指摘してくれるのでおすすめです。
特にGoogleドキュメントは、無料で作れるGoogleアカウントさえあれば、誰でも利用できるのでおすすめです。
Googleドキュメントについては別の記事で詳しく解説予定です。
生成AIに文章推敲を頼む
ChatGPTなどの生成AIを使えば、文章を推敲できます。
例えば下記のように入力すると、推敲後の文章を出力してくれます。
生成AIに文章を読み込ませて改善案を出力すれば、客観的な視点からのアドバイスがもらえます。
ただし、そのまま使わないようにしましょう。
生成AIの特徴として、ウソの情報が混じってしまう可能性があるからです。
あくまで参考程度にしておくことが大切です。
文章作成のプロに見てもらう
自分の文章を、プロに添削してもらうのが一番効果的です。
他人であり、かつ文章のプロが見るので、客観的で役に立つアドバイスがもらえますよ。
今なら人数限定で、現役Webライターの僕があなたの記事を無料で添削させていただきます。
下記のお問い合わせからご連絡してください。
ライター育成のセミナーなどで添削を受けると、結構お金がかかるので、無料でやっているうちにご連絡くださいね。
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冗長表現を避ける以外で読みやすい文章にするためのポイント
冗長な表現を避けるだけでなく、読みやすい文章にするポイントはたくさんあります。
今回は一部を紹介します。
- 主語と述語を合わせる
- 修飾語と被修飾語は近くに置く
- 句読点を適切に使う
- 同じ文末表現は2回まで
- 体言止めの多用は避ける
- 「てにをは」を正しく使う
- 「こそあど」言葉を使わない
- 同じ助詞を連続で使わない
- 接続詞を正しく使う
- 箇条書きをうまく使う
- できるだけ簡単な表現に変える
- 適切なタイミングで段落を変える
- 誤字脱字に注意する
- 表記ゆれに注意する
- 漢字とひらがなの割合は3:7
上記の読みやすい文書を書くポイントについては、下の記事で詳しく解説しています。
気になる人は合わせて読んでみてください。
冗長表現を改善するためにおすすめの書籍4選
ここからは、分かりやすい文章の書き方が学べるおすすめの書籍を4冊紹介します。
- 「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。
- 言葉ダイエット メール、企画書、就職活動が変わる最強の文章術
- 文章力の基本 簡単だけど、だれも教えてくれない77のテクニック
- ブログ歴17年のプロが教える売れる文章術 ブログライティングの教科書
実際に僕の役に立った本だけを厳選してお伝えしますので、よければ一度読んでみてください
「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。
「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。」は、池上彰さん、メンタリストDaiGoさん、井上ひさしさんなど、総勢53名の著名人が「大事!」と認定したコツを厳選し、ランキング形式でまとめた一冊です。
第1位の「文章をシンプルにする」から始まる40のポイントは、文章を書くあらゆるシーンで活用できます。
本書を読めば、「うまく書けない」「伝わらない」といった文章にまつわる悩みは一発で解消できるでしょう。
下の画像みたいに、読みやすくまとめられているので、初心者でも気軽に読めます。
初心者が最初に手に取る一冊として、大変おすすめなので持っていないなら、下のリンクから購入するようにしてください。
言葉ダイエット メール、企画書、就職活動が変わる最強の文章術
読みづらい文章の原因は、ただひとつ「書きすぎ」です。
本書では、ムダな言葉を減らすことで読みやすくする「言葉ダイエット」に焦点を当てて、8つのテクニックが紹介されています。
1文は40〜60文字以内、抽象論禁止、繰り返し禁止など。
本書を読めば、冗長な表現とおさらばできること間違いなしです。
文章力の基本 簡単だけど、だれも教えてくれない77のテクニック
「分かりやすく、伝わる文章」を書くための77のテクニックを集めた1冊です。
文章を書く機会は、仕事でもプライベートでも避けて通れません。しかし、「書き方の基本」を教えてくれる本は意外と少ないのが現状です。
本書は、「ムダなく、短く、スッキリ」書いて、「誤解なく、正確に、スラスラ」伝わる文章力の基本を、難しい文法用語を使わずに解説しています。
ビジネスシーンから日常的な文章まで、多くの文例をもとに「例文→改善案」という構成で、つい気づかずにやってしまうミスがまとめられています。
本書を読めば、冗長な表現を避けられるようになるので、あなたの文章力は確実にアップするでしょう。
ブログ歴17年のプロが教える売れる文章術 ブログライティングの教科書
「ブログライティングの教科書」は、ブロガーで人気YouTuberである中島大介氏が書いたブログ記事の書き方に特化した書籍です。
多くのことを学ばなければいけないブログ記事の書き方が1冊にまとめられているので、ブロガーだけでなく、WebライターなどのWeb上の文章を書く人にとって参考になります。
冗長な表現はWEBライティングの大敵なので、本書を読んで学んでいきましょう。
まとめ:シンプルな言葉で読者に伝わる文章を書こう!
この記事では、冗長表現について解説してきました。
冗長表現とは「ムダな言葉を使って説明してしまう表現」のことで、下記の代表例が挙げられます。
冗長表現の代表例
- 「の」を多用している
- 意味のない不要な語句を使っている
- 冗長な文末表現になっている
- 二重敬語になっている
- 二重否定をしている
- 一文の中で同じ単語をくり返し使っている
- 同じ文章を繰り返している
- 重複表現(二重表現)になっている
- 一文が長すぎる
- ムダな接続詞を使っている
- ムダな修飾語を使っている
- 前置きが長い
冗長表現を避けるには下記のポイントに注意しましょう。
冗長表現を避けるためのポイント
- 同じ単語はできるだけ使わない
- 一文一義を徹底する
- 一文をできるだけ短くする
- 文章全体の構成をあらかじめ考えておく
- 時間を空けて2回以上読みなおす
冗長表現を避けるときは、下記のポイントに注意が必要です。
冗長表現を避けるときの注意点
- 誤解されないようにする
- 文章全体のトーンが変わらないようにする
- 読みにくい文章にならないようにする
冗長な表現が多い文章は読者から避けられます。
残念ながら、読んでもらえない文章に価値はありません。
この記事の内容を何度も復習して、シンプルな言葉で読者に伝わる文章を書けるようになりましょう。
冗長な文章とよく似ているのが重複表現です。
下の記事でよく間違う重複表現を一覧表にまとめて解説しています。
冗長な文章と合わせて確認するようにしてください。
ちなみに、冗長な表現を減らすだけでは魅力的な文章にはなりません。
読者の心を動かすのは、表現豊かな文章です。
表現力を磨くには修辞法(レトリック)について学ぶのがおすすめです。
修辞法(レトリック)とは、言葉を美しく効果的に表現する表現技法のことで、うまく使えれば、相手の心に響いて、説得力のある文章を書けるようになります。
修辞法については下の記事で詳しく解説しています。
読者を突き動かす文章力を手に入れましょう。
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